sakura-tokyo4月6日3 分#29 ショートショート その3「アイン カフェ ビッテ」 よく通るウエイトレスの声が店の奥の方で軽やかに響いた。 グラスの泡が弾けるような心地よいざわめきのなか、私はぼんやりとコーヒーカップを見つめていた。ビル・エヴァンスのピアノが静かに流れている。...
sakura-tokyo4月6日2 分#28 ショートショート その2彼女の彼について、私の知っている事はそれほど無い。 日本とオーストリアのハーフでバツイチ。 前妻との間に息子が一人。 彼女と付き合い始めた頃は日本でイベント関連の仕事をしていた。 彼女はそこで知り合ったらしい。 彼女はそのイベント関連の会社で働き、地方を転々としていた。...
sakura-tokyo4月6日2 分#27 ショートショート その1「〇〇君の誕生日に大きな花火を打ち上げたいの」 「それをね、ヘリコプターで空から見るの」 バーテンダーに声を掛けようとしていた私は思わず振り返った。 「ちょっと待って」 彼女に言い、私はバーテンダーにライウイスキーを注文した。...