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  • sakura-tokyo

#2 ホワイトアウト

前回はアニメの会社なのに、全く関係のないブログなんて上げてしまいました。

一応アニメの話も上げておかないとあかんかな~と少し反省したので、今回は無い頭を絞ってアニメの話をしたいと思います。


打ち合わせの際に起こった出来事とか如何でしょうか。

何年か前に長野県に打ち合わせに行ったときのお話です。


あれは確か12月だったかな・・・

長野県に在住の、AさんとBさんの打ち合わせを組んで立ち会う為に長野県に行きました。

2人の利便性を考えて、スーパーマーケットやドラックストア等が集まった、商業施設の敷地内にある喫茶店に現地集合する予定を組みました。


今だったらリモートで打ち合わせですよね。

当時でも2人で進めてくださいとお願いすることもできましたが、やはりものごとの始まりは直接会ってお願いして、以降は柔軟に対応しましょうという判断にしました。


肌寒い曇天模様でしたが、天気予報の降水確率は低かったので「まぁ大丈夫っしょ!」って浅はかに考えて車で出発しました。

我が相棒、大排気量の高級車「型落ちのトヨタイスト」を駆使して光の速度で走行車線を走り、超絶ドライビングテクニックで開始時間スレスレに到着w

息つく間もなく打ち合わせ開始。


1時間ほどしてふと外を見ると、なんと雪が!

ちらつく程度だったので、止んで~とお祈り申し上げたのですが、雪はだんだん強くなってきます。(日頃の行いってヤツですよねw)

僕は外が気になって打ち合わせにも集中できなくなってきました。


暫く様子を見たのですが雪の弱まる気配はありません。

そして・・・遂に僕は苦渋の決断を下しました。

「後は任せるのでヨロシク!」

何の為にここまで来たのか、全てを台無しにするうわ言をのたまいw

僕はその場を後にするという暴挙に出たのです。

会計だけ済ませて、颯爽と逃げるように車に飛び乗りました。


やっぱりアニメ制作の裏事情的な話ではないですねw

そういった話は他社さんにお任せします。


長野県の方々にとっては常識ですが、魔都東京の隅っこ、密とは無縁な西東京に住まう僕たちは冬にスタッドレスタイヤに履き替えるという常識はありません。

そうです、僕の愛車は「ど、ノーマルタイヤ」でした。

段々雪は強くなってきていましたが、路面はまだそこまで白くなってはいません。

「高速入り口までたどり着けばなんとかなる!」と思って出発しました。

*高速道路は降雪時、塩カルを撒くのであまり凍結しないのです。


そこで悲劇はおこりました。


商業施設の駐車場から出て最初の信号機

ゆっくり走って止まろうとしたのですが、止まれない

減速しつつも、あれれれれれれ~っと

もの凄い低速で「ぽこっ」っと信号で停車中の前の車にぶつかりました。

ああ!やってしまった・・・

相手の方に深くお詫びをして一緒に駅前の交番まで車で行きました。

(確か警察に電話をしたら、近いから来いと言われたような記憶があります)


交番の前に車を止めて事情聴取を受け、全ての手続きを終えた後、おまわりさんが一言

「そのノーマルタイヤじゃ車は動かしちゃ駄目だ、どこかでチェーンを買ってきなさい」

と仰いました。


幸い駅前だったのでタクシーが1台停まっていました。

ドライバーのおっちゃんに事情を説明して、近くのオートバックスまで乗せて行ってもらうことになりました。

そのおっちゃんは親切な方でとても同情してくださり、オートバックスに着くなり一緒に降りてきて店員さんに交渉までしてくださいました。


「おう!このひと東京から来たんだってよ!慣れてないから安くて簡単なチェーン出してくれよ!」


おっちゃん・・・声でけーよw


因みに僕も結構なおっさんです。

「アダルトな紳士」とはよく言われますが加齢臭に悩むお年ごろですw


帰りの車中では「如何にこの時期長野県にノーマルタイヤで来ることが浅はかか」という議題で、おっちゃんと議論しつつ駅前に戻りました。

おっちゃんから激励いただき感謝しつつ戻ると、車は既に雪に埋もれていました。


この状態でチェーンを装着するのは一苦労です。

というか「無理じゃね」と思いました。


ふと視線を移すと駅前ロータリーには屋根があります。

その距離ほんの20~30mくらい

かなり恐縮しつつ車を屋根の下に移動していいか、とおまわりさんに伺ったところ


「駄目だ」


僕には絶望しかありませんでした・・・

(事故ったときに来いって言ってなかったっけ?車移動したよね!泣)


雪を掻き分けながら必死にチェーンを装着させようとしますが、なかなか巧くできません。

「大丈夫ですか?」と優しげな声は後ろからしますが、それ以上はなにもありません。

寒さに震え、指は悴み、涙で霞む目を拭い、とめどなく流れ続ける鼻水にも構わず作業を続けました。この目の前に広がる白い空間は、はたして雪なのか、三途の川に立ち込める霧なのか、無間地獄のような時間が果てしなく続きました。

(おっ?予告コメントみたいでカッコいいな!)


どれほどの時間が経ったのでしょう?

危うく遭難しかけながらも、なんとかチェーンを装着して帰路につくことができました。

辛くも凍傷は免れましたw

出発時はおまわりさん達も暖かく見送ってくださいました。


こんちくしょう!おまえら雪に埋もれてしまえ!


いやいや分かっています。

全て僕が悪いのです。

日頃の行いから全て含めて反省します。


人は誰にでもチクリと痛みの走る小さな記憶があるんです。

この思い出を美しい思い出に変えようと思ってこの文章を書き始めたのですが・・・


「駄目だ」


あのときのおまわりさんの台詞が僕の頭の中に響きました。

人間の業とは深いものです。日々噛み締めながら生きて行こうと思います。


やはりアニメ業界の裏話とは無縁なこのブログ

続いて行くのか行かないのか・・・


文責

桜栗英人

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